事案の概要

精密機器を製造販売するベンチャー企業が、特許権侵害を主張する大企業より、製造販売等の停止と、ライセンス契約の締結を請求されました。

特許分析・調査

問題となっている特許権は複数に及びました。全て分割出願でしたので包袋を取り寄せ、特許請求の範囲に記載された発明を分析し、製品との比較を行ったところ、複数の特許権については非侵害を主張できるのではないかとの結論に達しました。

クレームチャートを作成し、交渉のための資料を作成しました。

無効理由調査

先行技術調査は費用がかかりすぎるので保留することにしました。

特許出願の分割要件違反について検討し、無効理由の主張をすることになりました。

設計変更

特許権侵害をできる限り回避するため、可能な範囲で製品の設計変更もすることになりました。特許権を侵害しないような態様を検討し、設計変更の方向性について議論しました。

任意交渉

特許権者との間で、任意交渉を開始しました。こちら側は全ての特許権について非侵害である旨を主張し、特許権者の主張する差止め、損害賠償金の支払いを拒絶しました。

特許権者は侵害を主張したままですので、議論は平行線に達して終わりました。

交渉打ち切り・権利行使断念?

任意交渉は1年弱に及び、争点に関する双方の主張は明確になりましたが、最終的な合意に達することはできませんでした。

こちら側は訴訟提起されても非侵害の判決を得られる確率が高いと判断しました。低額の解決金支払いによる和解契約締結について検討しましたが、クライアント様は訴訟も受けて立つとのご意向でしたので、相手方に交渉の打ち切りを提案し、任意交渉を終了しました。

数年が経過しましたが、今日に至るまで訴訟の提起はなされていません。